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※現在調査中
「会長観戦記 2003.3.17」



試合経過
1回表、相手のトップバッターがセンターへライナー、和田はいったん前進して捕りに行ったが、無理だと見てバック、風邪で変化した打球はワンバウンドで頭上を越えて3塁打となった。徳留は続く2.3.4番をすべて内野ゴロに打ち取ったが、3番の投ゴロの間に1点先制された。

3回サードゴロを3塁手の1塁暴投で2塁まで進んだ藤田を雄高がセカンドゴロ進塁打で3塁へ進め、2番の倉がうまく1.2塁間へ打って藤田を向かい入れ同点とした。

その後、互いにゼロ行進の我慢くらべの試合となった。この間、何回もランナーを得点圏においてエンドランを仕掛けるが、
3回とも内野フライ・ダブルプレー、投ゴロ⇒本塁タッチアウト、空振り⇒ランナー挟殺と、失敗。

嫌なムードの中で迎えた7回表、4−3Eでランナー1塁、0−1からスチールを決められ、無死2塁、そこで徳留の2塁牽制悪投でボールはセンターへ、センター砂川が3塁へ矢のような送球、ランナーは3塁塁上でタッチアウト、3番が四球で1死1塁となり相手の4番がレフトへ大きな当たり、藤田が落下点に入ったが惜しくも捕れず、1死2.3塁となる。次の5番のスクイズを外して3本間で挟殺して2死とするも、6番にセンター前に運ばれて1点を追加された。

2対1で迎えた最終回の裏、先頭の雄高がレフト前に落とし無死1塁、倉、砂川と連続四球で無死満塁、徳留三振の後、1死満塁智の場面でエンドランをかけショーゴロの間に同点とした。
2死2.3塁で中川がフルスウィング、相手投手のグラブをはじいてレフト前に抜けるヒットを放ってサヨナラ勝ちをおさめた。

観戦記
昨年のシュナーベル杯の山崎パン戦に続く、劇的な逆転・サヨナラ勝ちの試合であった。
私も長い間草野球界で生きてきたが、今日のサヨナラ勝ちの瞬間には思わず瞼が潤んだ。
ともかく、ホームベースの遠い苦しいゲームだった。
上にも書いたが、3回、4回、6回と積極的にエンドランを仕掛けたが、すべてが裏目と出た。
いわば、エンドランは一種の「賭け」である。打者がボールに食らいついて、ともかくゴロを打たねばならない。
失敗すると、逆に悪いムードになる。いつもなら、この暗いムードを引きずってしまうところだが、今日は違っていた。
集中力と気合いを切らずに、みんなよく粘った。
徳留もよく投げた。試合ではエラーが4つ出たが、いずれのエラーもみんなでこれをよくフォローした。
それが逆転サヨナラのドラマを生んだのだと思う。
何となく、ゲームが負け試合のモードに入ったが、よくぞ跳ね返したものだと感心した。
この2.3年の試合の中でも印象に残るゲームだった。

評価できる点
1.ベンチからよく声が出ていた。
2.3回裏、ランナーを置いて、倉が1.2塁間に強烈なライナーを打って同点とした。
  倉のバッティングは立派だった。
3.サードゴロエラーで出た相手ランナーの盗塁を智が矢のような送球で刺した。
4.目立たないが、3回表無死2塁から雄高の打った進塁打も巧かった。
  これが倉のヒットを呼んだのだ、
5.セカンド牽制悪投をセンターの砂川が思いきって3塁へ送球、ワンバウンドの絶好の返球でランナーを刺した。
6.そのプレーの時、雄高がグラブを構えずに棒立ちの姿勢をとってランナーに突然タッチ。
  高度なプレーを見せたのが試合の明暗を分けた。
7.最終回の大きなレフトフライを追った藤田のプレー。直線コースを走り、今一歩で捕球を逃したが、
  その後、素早く・正確にカットマンに好返球、得点を許さなかった。
8.徳留がねばり強くよく投げた。2.3.4.5.6回はすべて3人で打ち取ったのはさすがだ。
  この間、5個の三振をとっている。ともかくよく投げた。
9.最終回、1死満塁で智がエンドランのサインによく応えた。上からボールをたたいてショートゴロ・・・
  ともかく意地で同点に持ち込んだのは立派だった。
10.最終回、中川の闘志あふれるバッティングが光った。気力充実、集中力の生んだサヨナラヒット。
  打球は強烈、火の出るような当たりだった。
  投手のグラブをはじいた打球がレフト前へ抜けるほど強い打球だった。 
  試合を決める文句なしのサヨナラヒットだった。中川選手、おめでとう。

少し考えるべき点
1.積極性に欠けたり、慎重になりすぎると、逆にエラーを誘発することに注意したい。
  初回の和田、6回の雄高は少々慎重になっていたように見えた。
  もっと思い切ったプレーが期待される。思い切った、気合いの入ったプレーでエラーをするのと、
  慎重になって消極的に見えるプレーでエラーをするのとは違うと思う。
  エラーは3つまでだ。もっとアグレッシブな、積極的なプレーを望みたい。
2.そのプレー中に、サインを出す者に対してそのサインの是非を論ずるのはよくない。
  コーチにサインを一任した以上、選手は全力を傾けてそのサイン通りプレーしなければならない。
  どうしてもそのサインに納得できなかった場合には試合終了後の反省会の話題にすべきである。
3.選手特に投手はボール、ストライクの判定に対する不満をあまり態度に出さない方がよい。
  審判に良くない印象を持たれる危険もあることを考えると、きついだろうがポーカーフェイスを心がけて欲しい。

会長観戦記・・・続編・・・

 「日替わりヒーローはキングス野球」

サヨナラ勝ちの興奮がまだ冷めやらないので、観戦記の続編をお送りします。
徳留選手のメールによると、本人は昨日の試合について反省しきりのようです。
バッティングの面では、確かにブレーキだったが、ちゃんと投手の仕事はしていたから、それほど反省することはないと思います。
2.3.4.5.6回の5イニングスは、ピシャリと3人づつで締めていた。
ピッチャーは普通の選手よりも少し自意識が強く「うぬぼれ」の強い性格の人間が向いているといわれます。
徳留投手は、それほど「自意識」や「うぬぼれ」が強いようには見えません。
けれども、相手打者に向かっていく強い姿勢が感じられるので、間違いなく投手に
向いていると思われます。独り相撲をとらず、ナインを信頼して打たせてとるという
気持がある限り、まだまだ伸びていくピッチャーだと思います。
涌井投手の投球技術、高橋投手のコントロール、徳留投手の闘魂・・・
いずれも魅力たっぷりです。
今日、NHKの特別番組で「江夏投手の21球」というのを見ましたが、投手の心理が良く出ていました。

ところで、試合で「日替わりのヒーロー」が出るチームは素晴らしいと言われますが、まさに、最近のキングスはそれに近くなつていると言えます。
3/9のダブルヘッダーは、徳留選手が打ちまくり、話題を一手に集めました。
代打で出てきて、いきなり左中間に3塁打を放ち、2試合目にもヒットを2本打った。
3/16の試合でも、チャンスに徳留に1本出ていれば、楽勝でしたが、神様はそうはしてくれなかった(もつとも徳留に限らず誰かが1本出していれば楽勝だった)。

3/16のヒーローは文句なしで中川選手でしょう。
でも、ヒーローは誰かなどというのは本当はあまり意味がない。
というのは、野球のゲームというものはみんなで作っていくものなので、
お膳立てが出来ていて試合を決めるヒットを打つ選手が出るからです。
サヨナラの条件が出来ていなければサヨナラヒットは打てない。
余りにも、当然のことですが、これが野球の楽しいところだと思います。
つまり、私はワンマンチームでないチームが好きです。
ドングリの背比べで、ヒーローが日替わりで出るチームがいいですね。
お互いにアドバイスをして、お互いを励まし合い、お互いをカバーする・・・・
良いところは褒め合い、気になるところはじっくり話し合う・・・
このようなチームであり続けたい・・・・・・・・これが私の気持です。

     キングス快調・・いや間違えた・・キングス会長  高 乗 正 臣


2003年3月17日
背番号4
高乗正臣


                                      
                                         
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