国立キングス野球哲学

1.野球における「楽しさ」
一般的に「楽しさ」というと、「好き勝手にやる」「笑い」を連想する。しかし、野球における「楽しい」は、日常のそれとは意味が全く異なるものだ。なぜならば、野球は「野球の世界」に存在するものであり、日常の世界から離れているからだ。野球における「楽しさ」とは、以下の条件を満たしたときに味わえるように思う。
(1)全力で一生懸命プレーをする。
(2)皆が一丸となる。
(3)野球に集中する。
(4)緊張感のある試合。
(5)目標、課題、向上心を持つ。
これらを一言で言うと「充実感」である。また、野球の試合は、必ず相手がいるので自軍だけの問題ではなく、相手のチームも同じ思いで取り組んでいることが望ましい。
単に野球がやりたいのではない。「このチーム(キングス)で野球をやりたい」のだ。こんないい仲間がいる。こんないい空間がある。このチーム状態を維持していくためには、全員が常に当たり前のことに目を向け、当たり前のことに感謝し、当たり前のことを当たり前のようにやっていくことが必要だと考える。
純粋に素直に野球をする。野球の神様に叱られないような全力プレー、皆の心が一つになるチームプレー、真剣に取り組む姿。これらが、野球でしか味わうことのできない「楽しさ」(充実感)への近道であると考える。
2.一球の大切さ
日常の生活では経験することのできない場面が野球にはある。その中の一つに一球で試合が決まる場面がある。その場面で自分の持っている力を発揮しチ−ムを勝利に導くことが野球人としての夢である。いつでも自分の力を発揮できるように、試合に集中し、気合いを入れてプレ−をすることが必要になる。
3.チ−ムの成長
選手はみな平等であり、特別な例外を認めず、選手全員が首脳陣を中心にお互いに注意し合い、アドバイスし合って、皆が成長していくのがわがチ−ムの方針である。
4.チ−ムが一丸となる
ベンチも一丸となる特に攻撃の時、バッタ−(1人)vs守備(相手チ−ム)と錯覚を起こしやすいが、いかなる時でもチ−ムvsチ−ムである。つまり、自分がプレ−をしていない時でも野球をしているのである。ベンチにいる時に、野球と無関係の話をするのではなく、一人一人が試合に集中し、主将を中心に声をかけ合い、自軍を盛り上げて常に試合を優位にもっていくことが重要である。これも野球である。皆でベンチに座って大きな声を出そう。
5.「いい試合」
日常では味わえない楽しさが野球にはある。それは、チ−ム全体が一丸となって全力でプレ−をする時の「充実感」である。全力疾走や思い切ったプレ−(それがエラ−になってもその後のプレ−)などの一つ一つを、真剣に全力でプレ−する。チ−ム全体が全力で取り組んだ試合が「いい試合」であり、「いい試合」をしたにもかかわらず負けた時には、負けてもいいと言うこともできる。キングスの目標は、ただ単に勝利だけを目指すのではなく、「いい試合」をして勝利することにある。「いい試合」をして勝った時の充実感は格別である。
6.「たかが野球、されど野球」
野球を総括する言葉である。今までキングスがやってきたことや、納会で再確認されたことを一つ一つ確実に実行に移すことことが基礎となる。キングスが「さらにいいチ−ムになりたい」・「上を目指したい」と思う限り、課題は無限に出てくる。出された課題を一つ一つ確認し合い、皆が常に上を目指し、皆が全力でプレ−をし、チームが一丸となって、充実感を共有することがキングス野球である。
7.チームのモットー
チームのモットーは、「野球の神様にほめられるようなプレーをする」である。「たかが野球、されど野球」の合い言葉の下に、一生懸命なプレーを心掛け、決してダラダラしたプレーやふざけたプレーはしない。野球に取り組む姿勢はいつも「全力」だ。
これほど、全員が野球を心から愛し、考え、そしてそれを実践していくチームは、他に類をみないと自負している。